来週5/4(月祝)に開催される文学フリマ東京42に出展します。
これまで技術書典で、DevOpsやプロダクト思考、AIとインターネット体験を題材にした技術同人誌を頒布してきました。
今回は初めて文学フリマに出展します。
文学フリマ東京42では、新刊『日常からの少しの跳躍 極私的奇譚集』を頒布します。

あわせて、これまで技術書典で頒布してきた既刊も持っていく予定です。
文学フリマについて
文学フリマとは、文学作品の展示即売会です。
出店者が「自分が〈文学〉と信じるもの」を自らの手で販売します。
作品の内容は、小説・物語・詩・俳句・短歌・ノンフィクション・エッセイほか、評論・研究書など多岐にわたります。気軽に読める作品から重厚なものまで、ごく個人的なものから社会的なものまで、出店者によってさまざまな作品が販売されます。
文学フリマの「場」には一般商業流通には乗らない作品がたくさん集まります。
通常の製本された冊子から、ホチキスで綴じたコピー誌、手作りのZINE、手書きの1枚の紙、Tシャツ、CDなどさまざまな形式のものなど、
本屋さんでも通販でも出会えない、さまざまな形の〈文学〉が一堂に会し、販売されます。
既存のジャンルや定義・価値観にとらわれない、自由な発想・斬新な視点から生まれた作品も多く出品されます。2002年に初めて開催されて以来、文学フリマでは多くの出店者・来場者が参加し、数えきれないほどの作品が文学フリマの「場」で販売されてきました。
現在の文学フリマは、個人が作品を発表する「場」だけでなく、新たな才能の発掘の「場」や、斬新な作品の実験の「場」ともなっているほか、プロの作家が出版社を介さずに自ら作品制作のプロセスを一人で担った作品を販売する「場」ともなり、既存の商業出版とは異なる新しい流通の「場」としても機能しつつあります。
引用:
今回頒布する書籍について
今回頒布予定の書籍は以下です。
- 新刊『日常からの少しの跳躍 極私的奇譚集』
- 既刊/技術書典20初出『AIという名の伏線回収 極私的インターネット体験』
- 既刊『作る前に使われ方を考える 極私的プロダクト思考』
- 既刊『サイロを嫌う 極私的DevOps観』
新刊『日常からの少しの跳躍 極私的奇譚集』
かつての文学青年として文学フリマに出展できることが嬉しく、文学作品としての短編集を作りました。
しかも、2011年から2012年頃にかつての自分が書いていた文章を抜粋・再編集した短篇集です。
売れないミュージシャンだった頃の自分が見ていた、日常から少しだけ跳躍した風景を、一冊にまとめました。
猫の群れに怯まされ、見知らぬ長距離電話に勝手な使命感を抱き、壊れた携帯電話に情を移し、ハンバーグラーメンに翻弄され、豆腐に祈りを託す。
どの話もどこか可笑しく、けれど少しだけさびしさが残ります。大真面目なのに、少しおかしい。
そんな語りの先にある、可笑しみと哀感を楽しんでいただけたら嬉しいです。
既刊/技術書典20初出『AIという名の伏線回収 極私的インターネット体験』
本書は、AIを「突然現れた新しいもの」としてではなく、1990年代末から続くインターネットとデジタル化の延長線上にあるものとして捉え直す、技術エッセイです。
1999年頃のインターネット接続、携帯電話やPHS、掲示板やチャット、ICQのようなコミュニケーション。カセットテープから配信サービスへ、レンタルビデオから動画配信へ、紙や物理メディア中心だった情報との付き合い方が、どのように変化してきたのか。そうした個人的な体験と時代の変化をたどりながら、「いま私たちがAIと呼んでいるもの」がどのような流れの中に位置づくのかを考えます。
本書の主題は、単なる懐古ではありません。 インターネットは、時間や場所、物理的な制約を少しずつ外し、私たちの生活を拡張してきました。そしてAIもまた、別のかたちで私たちの思考や創作、仕事の進め方を拡張しつつあります。本書では、音楽・映像・本・写真・コミュニケーションといった身近な題材を通して、その「伏線」をたどり、AI時代を相対化して見つめます。
技術の進化をスペックや機能で語る本ではなく、技術が人の暮らしや感覚に何をもたらしたのかを、自身の記憶と経験から描いた一冊です。インターネット黎明期を知る方には記憶をたどる読書体験として、AI時代から技術に触れ始めた方には過去から現在への連続性を知る視点として、知っていただける内容を目指しました。
本書では、AIを「突然現れた新しいもの」としてではなく、インターネット以降の暮らしの変化の延長線上にあるものとして捉え直します。 過去の体験をたどることで、いまのAI時代を別の角度から見つめます。
既刊『作る前に使われ方を考える 極私的プロダクト思考』
本書は著者が、エンジニアリングへのオーナーシップを取り戻すために辿り着いた 「作る前に使われ方を考える」という極私的なプロダクト思考を主題とした技術同人誌です。 作ることは目的ではなく、アウトカム(行動・価値の変化)を実現するための手段です。 使われ方を無視して手段先行で作ると、不要な実装が増え、継続的な成長が阻害されます。 本書は、この「使われ方」を深く掘り下げ、作る人自身が主体的に考えることの重要性を説きます。 作る前に使われ方を想定し、意味のあるものだけを作る選択をすることで、 作り手の経験は学びに変わり、承認や自己実現の欲求が満たされます。 価値創出の実感を取り戻し、働けば働くほど楽しいエンジニアリングのためのヒントとなれば幸いです。
既刊『サイロを嫌う 極私的DevOps観』
本書は、DevOpsの理念を手がかりに、現場に潜む「分断」(サイロ)をどう解消していくかを、極私的な視点から考察した一冊です。 著者は、長年受託開発の現場に身を置き、契約という有期的な関係や工程ごとに細分化された作業に縛られ、仕事にどこか違和感を抱いてきました。 しかし、DevOpsの考え方――とりわけ「共通の価値に向けてサイロを壊し、協力し合う」という本質に触れたことで、そのモヤモヤの正体を言語化できるようになりました。 本書では、著者自身の経験に基づく具体的な「分断」の事例と、それを乗り越えるための気づきをまとめています。
なぜ文学フリマに出るのか
自分が書いているものは、技術解説ではなく体験をもとにしたエッセイです。
題材は技術や開発であっても、書いている中心にはいつも、自分が何を見てきたのか、何に違和感を持ってきたのか、それをどう言葉にするのか、という個人的な問いがありました。
その意味で、これまでの技術同人誌は「極私的」な本として整理してきました。
今回の新刊『日常からの少しの跳躍』は、技術や仕事の文脈からは離れます。
15年程前の20代後半の自分が書いた文章を再編集したものとなります。
ただ、自分の体験・思考の言語化という点では、これまでの本と地続きだと思っています。
売れないミュージシャンだった頃の自分が書いた、少し日常から跳躍した文章。
それを今の自分が読み返し、再編集し、文学フリマという場に持っていく。
そのことは、自分にとっては不思議な出来事です。
ただ、15年忘れなかった文章の面白味があると思っています。
技術書典では出会わなかった方にも、この本を手に取っていただけたら嬉しいです。
ブースについて
私のブースは、南3-4ホール「け-44」です。

今回も家族3人で運営する予定です。
どこかで少しでも引っかかるものがあれば、お手に取っていただけると嬉しいです。