読書メモ。2026年5冊目。(2026/1/20記載)
『ザ・ファシリテーション』に続けてファシリテーションを理解し直すために、手に取りました。
改めてファシリテーションの持つ意味の多様性を理解しました。
また、ファシリテーターはプロセスでリーダーシップを発揮するという言葉に大きな気づきを得ました。
『ファシリテーション入門<第2版>』を読んだ学びをまとめます。
本の概要
『ファシリテーション入門』は入門用テキストとして多くの企業や大学で採用され、当該分野の標準テキストといえるまでになりました。
ファシリテーションとは、集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きです。
その役割を担う人がファシリテーターであり、日本語では「協働促進者」または「共創支援者」と呼びます。ファシリテーションの最大の特徴は、情報や意見などの内容、コンテンツではなく、進行や関係といった過程、プロセスを舵取りするところにあります。
改訂版では、多彩なファシリテーションの技法や応用のなかで、すべての活動の基本となる「話し合い」(会議)のファシリテーションに焦点を当て、その理論と実践スキルを紹介していきます。最新の知見を盛り込み、第一版を全面的にアップデートしました。
引用:
動機
- ファシリ研をきっかけにファシリテーションを捉え直す機会を得ている。
- 実践からの気づきは多いものの、そもそもそれがファシリテーションなのか再学習したいと思っていた。
- ファシリテーションと出会った頃に読んだ一冊を再読。
本書からの学び
自分がファシリテーションと出会った頃に読んだ一冊を再読しました。
当時、「よくわからない」と思った部分が多く、自分の環境下で取り入れることが可能な部分にのみ意識がいって読んだ記憶があります。
再読して気付いたのは改めてファシリテーションは多くのことを表しているということでした。
そして、コンテキストに対する依存が強いとも思いました。
本書ではファシリテーションについて体系立てて整理されています。
特にファシリテーションの4種類の整理は自分の思考の整理に役立ちました。
-
組織系:組織の課題を「損得・合理性・成果」の観点で解く問題解決型。経営学的知見が求められる。
-
人間系:学びや成長を促す教育学習型で、「自分はどうありたいか」といった心理的テーマを内省と対話で扱う。心理学・教育学が重要。
-
複合系:人・組織・社会が絡む複雑な問題を分けずに同時に扱い、利害関係者が集まって変革(イノベーション)を目指す変革型。
私は以前組織系のファシリテーションが求められる環境でファシリテーションを習得しました。
次に、文脈を理解しないまま複合系が求められる環境で同じファシリテーションをして失敗しました。
そうしたことは体験があるからこそ理解できるものの、当時はよくわかっていなかったことに気がつきます。
学びと実践を繰り返すことの重要性を学びます。
今度は自分が必要とするファシリテーションを意識して習得していきます。
忘れたくないメモ
特に自分にとって大きな学びになった内容を書き留めます。
プロセスでリーダーシップを発揮する
ファシリテーターは、プロセスでリーダーシップを発揮するのであって、話し合いの結論を決定する、コンテンツのリーダーではありません。コンテンツの決裁者がプロセスもリードしてしまうと、独断専行に陥りがちになり、衆知が集められなくなってしまいます。参加者の納得感が得られず、決まったことへの当事者意識やモチベーションも高まりません。
つい最近、gaoryuさんのNewbeeでの動画ではじめて意識できた内容でした。
ファシリテーターはプロセスにリーダーシップを発揮する。
ただ、私のようなプロジェクトマネージャーであったり、エンジニアだったりする人間はコンテンツに集中してしまう。
けど、プロダクトの成長を持続可能にするためには、チームの成長も必須であり、だからこそ、ファシリテーターじゃなくてもプロセスという側面を意識する必要があると改めて理解しました。
価値観や考え方の枠組みが「みんな違う」のが前提
欧米生まれのファシリテーションは、自律した個が形づくる、多様性の高いローコンテクストな集団をもとに考えられたものです。価値観や考え方の枠組みが「みんな違う」のが前提です、「話さないと分からない」からこそ、言葉でやりとりして、分かり合う努力を常にしていかなければいけません。多様な人たちが、オープンにフェアに話し合うからこそ、大きな相互作用が生まれてきます。
日本でも価値観や考え方の枠組みが「みんな違う」のは当然だと思います。
けど、それが表になかなか現れないことが難しく、ファシリテーションにはそれを意識して表に出すことも重要だと思っています。
正解だと信じられるかどうか
言い換えれば、多少見劣りする答えであっても、みんなが心の底から納得して実行すれば、 成功確率が上がります。今の不透明な時代、本当の意味で「これが正解だ」と言い切れるものは存在しません。「正解かどうか?」を議論するのも大切ですが、「正解だと信じられるかどうか?」が決め手となります。信じられれば自分事だと思って努力して、結果的に正解にできるからです。不確実な時代では、戦略の成否は実行にかかっているわけです。
そもそも正解とは何か?そんな分かりやすい唯一解があるのか?
会議をしていると、どうしてもべき論に向きがちな傾向を感じます。
但し、べき論と思われるものが、本来自分たちが実現したいことに対して適切な回答になっているかはよく分からないときがあります。
我々は手段ではなく、目的に対するアプローチに対して会話をすべきなんじゃないかと思うことがよくあります。
そして、アプローチをするのは他ならぬ当事者たちのため、そこには納得感が無いとうまく実現できないと思っています。
プロセスを決めてからコンテンツに入る
会議では、プロセスを決めてからコンテンツに入るのが鉄則です。民主主義の正当性はプロセスが担保するものです。プロセスに納得しない人は、コンテンツ(結論)にも納得せず、少なからず卓袱台返しを仕掛けてきます。
ファシリテーション研究会の実践編で、まず最初にどういった会議にするかを考える時間を取ることの意味を改めて知りました。
考えたプロセスに対して合意を取る。意識していきたいです。
思考停止ワード
戦略、コンセプト、マネジメントといった、普段当たり前に使っているビジネス用語は、人によって意味するものが違うことがよくあります。ましてや、思考停止ワードと呼ばれる、耳あたりのよい流行り言葉は「言語明瞭・意味不明瞭」になりがちです。分かりやすく定義し直してもらわないと話がかみ合わないもとになります。
私はよく「価値実現」という言葉を使う傾向があると思っています。
ただ、会議において「価値実現」というと、「何の」「何のための」が無いと議論がちぐはぐになるとも思っています。
改めて、抽象度が高い便利な言葉こそ丁寧に認識合わせをして議論を進めたいと思いました。
補足
毎回大きな学びや気づきにつながるイベントのため楽しみです。