幡ヶ谷亭直吉ブログ

娘のここねと格闘するエンジニア。

1年を通したスクラム理解の変遷──プロダクトからチーム、そしてプロセスへ

今年、はじめてのアドベントカレンダーに挑戦しています。
本記事はスクラムマスター Advent Calendar 2025の19日目の記事です。
昨日はイデーさんの記事でした!より良い状態を志向する内容に刺激をいただきました。

adventar.org

本記事では、1年を通した私のスクラムについての理解の変遷を整理します。

はじめに

今年、スクラムに対して大きく2回、捉え直す機会がありました。
今回の記事では、その内容を整理したいと思います。
1回目は「チーム開発」に対する気づき、2回目は「プロセスを育てること」に対する気づきです。
どちらの気づきも、スクラムで価値を実現する対象を「プロダクト」だけに閉じず、「チーム」や「プロセス」に広げて捉える重要性を教えてくれました。

チーム開発に対する気づき

もともとのスクラムに対する理解

今まで私はスクラム開発について、先行きの変動しやすい世の中において、定期的にプロダクトの機能をリリースするサイクルを設けることで、プロダクトが時代の要求に追従できるようにするためのプロセスと考えていました。
そのために、スプリントごとに起きたことに対しての改善を考えたり、ステークフォルダーからのフィードバックにより軌道修正をしたりするものと考えていました。

コンテキストに依存した解釈

ここまでは概ね間違いは無いと思いつつ、長年マイクロマネジメントなウォーターフォール開発に慣れ親しんでいた私は、スクラムを、ウォーターフォールを細かく繰り返す開発のような形で捉えてしまっていました。
機能実現に意識が偏っており、どうやって実現していくかにウォーターフォールスクラムで大きな違いがあることに気づけていませんでした。
それにより、無意識にスクラムでも指示と管理を繰り返していました。
結果として、チームのオーナーシップを育むことができませんでした。

アジャイルコーチからのチーム開発に対する気づき

そうした時に一緒に案件に取り組んでいたアジャイルコーチの方に頂いた言葉が私の考え方を変えてくれました。

最近は、「プロダクト」もしくは「アウトカム/価値/成果」に、作っているサービスだけじゃなくて、スクラムチームも含めて考えると頭の整理がしやすいなと思っています。

この言葉によって、スクラムにおいては、プロダクトだけでなく、プロダクトを持続的に成長させていくためのチーム成長も重要であると気がつくことができました。
プロダクトはチームでつくるからこそ、持続的に成長させていくことができる
そこから、スクラムにおけるチーム開発の重要性を意識できるようになっていきました。

スクラム祭りでのアウトプット

今回の気づきをテーマに、今年のスクラム祭りで登壇をしました。
アジャイルコーチの方と案件をご一緒できたのは3か月だけですが、大きな気づきを頂きました。
スクラムチームにおけるアジャイルコーチの重要性も知ることができました。

speakerdeck.com

プロセスを育てることに対する気づき

新しいプロダクト開発の環境に

チーム開発の重要性を学び実践していく中で、大きな転換を迎えました。
チームを離れ、新しいプロダクト開発に携わることになりました。
ただし、その開発ではプロダクトオーナーは多忙であり、チームはリリース後に解散することも見えていました。
プロダクト成長、チーム成長ともに制約のある中で、スクラムで開発を進めることに意味があるのか悩んでいました。

コミュニティからのプロセスに対する気づき

自分で悩みを解消しきれず、渋谷アジャイルというイベントのOSTに悩みを持ち込みました。

shibuyagile.connpass.com


そこで私はまたスクラムに対する視界を広げる経験をしました。
そこで学んだことは、プロセスも価値のあるプロダクトとして育てていけるということでした。

新しいプロダクト開発は仕様駆動開発で進めることが前提として決まっていました。
渋谷アジャイルでいただいた気づきは、その仕様駆動開発というプロセス自体を育てるためにスクラムを扱うのはどうか、という内容でした。
仕様駆動開発はAIが機能実装をしていくため、プロセスが固まっていれば人への依存度を下げられ、プロダクトの持続可能性につながるとイメージを持つことができました。
それまでは、プロダクトやチームをスクラムで価値を実現する対象と捉えていたため、ここでも大きな気づきの機会を頂きました。

渋谷アジャイルでの気づきのアウトプット

この気づきについては、渋谷アジャイル #17 で登壇しました。
改めて、渋谷アジャイルというコミュニティに感謝です。
このコミュニティに参加する後押ししてくださったのも、チーム開発の気づきをくれたアジャイルコーチだったため1年を通じて学びを頂いてます。

speakerdeck.com

まとめ

1年を通してスクラムに対する理解を変えていくことができました。
プロダクトからチーム、さらにプロセスへと、スクラムで価値を実現する対象が広がった1年でした。
この認識の変化は、自分一人のコンテキストの中では変えることが難しかったと考えています。
他者との交流やコミュニティからの学びによって視野を広げることができました。
そうした学びをアウトプットすることで、次の誰かの気づきになれば嬉しいです。

明日はのりっくさんの記事です!!同じ83年生まれ。楽しみです!