読書メモ。2025年70冊目。
『学びのデザインパターン』を読んでの感想となります。(2025/11/30記載)
本の概要
プロダクトマネージャーという職種の認知が広がり、プロダクトマネージャーを目指す人や、プロダクトマネージャーとして成長したいという人が増えました。しかし、実際には非常に文脈依存の職種で、再現性の担保が難しく、教育も極端にOJT依存になっています。プロダクトにおける成功事例は多く見つかる一方で、トッププレイヤー達が1人のプロダクトマネージャーとしてどのような成長を辿ったのかという話はあまり表に出てきません。
そこで、文脈に依存しない相互教育プログラムとしてPM Jamという取り組みを始めました。本書はその最初の3ヶ月の実験録です。普段は異なる会社組織に属する4人の間でコンテキストの共有なしに実際にどんな会話がなされていて、プロダクトマネージャーとしてどんな成長があって、それがどんな仕掛けによるものなのかを生々しく綴っています。
引用:
動機
- プロダクトマネジメントについて学びたいと思いつつ機会を見失っている。
- 技術書典での同人誌発売をXのツイートで知り、わくわくしていた。
- 当日対面のブースで雰囲気の良さに書籍の内容が気になっていた。
本書からの学び
2つの大きな学びがありました。
「プロダクトマネジメントについて」と「対話を中心にした学習について」となります。
前者について、改めてプロダクトマネージャーとエンジニアとの視界の違いに気付きました。
私はエンジニアとして、プロダクトの価値を実現することについて考えることは重要であると思っています。
それは「プロダクトを作っていくプロセス」や「チームでそれを実現すること」に焦点が当たっていることに気が付きました。
一方、プロダクトマネージャーは「何を実現するか」というもっと「作っていくより前のプロセス」に焦点が当たっていることを改めて理解できました。
私が「プロダクト価値の実現」と考えるとき、「ある程度プロダクトがどういった姿かをイメージできる状態」から、本当に要るのか要らないのかをもう一度考えて自分たちで腑に落ちる状態から作っていくことを意図していることに気がつきました。
逆に「ある程度プロダクトがどういった姿かをイメージできる状態」を我々が知覚できるのは、プロダクトマネージャーがそのイメージを実現しているからだと理解できました。
私自身、プロダクト領域に関心は持ちつつ、プロダクトマネージャーという役割について遠い存在に感じていました。
それは私が長年受発注の関係にあるエンジニアリングに携わり、発注者はいてもプロダクトマネージャーのいない環境で働いてきたからだと思っています。
現在はプロダクトオーナーのいるスクラムで開発を進めており、受発注の関係を超えてプロダクトの成長を一緒に考えて進めることができています。
それでも、「プロダクトマネージャー」という役割は遠くに感じてしまい、どこか「特別な存在」に感じていました。
ただ、本書を読んでプロダクトマネージャーという役割を改めて理解することで、特別な存在ではなく、プロダクトのことを突き詰めて考える生身の人たちであることを理解できました。
そう考えると私のブースで本を手にとってくださった時に、「自分達もいつも同じようなことを話してる」と言っていただけたことを嬉しく思いました。
そして、もっと理解することで、私自身も「プロダクト価値の実現」という考えを、もっと自分のものにできると思いました。
もうひとつの学びは「対話を中心に学習するコミュニティ」でした。
プロダクトマネージャーの方たちが実施しているので「PM Jam」ですが、このコミュニティの在り方はテーマを変えても実現可能なのではと思いました。
特に個人の関心からの問いのやり取りを、第三者が見て学びを得るというプロセスが興味深かったです。
私自身、今年『ファシリテーション研究会』という勉強会に参加し、自分とは異なる組織に所属する人のファシリテーションを見ることで、自分との違いに大きな学びを得ることができました。
同じ観点で問いのやりとりの共有によって、自分の体験を拡張できるイメージを持ちました。
自分の環境でも何か活かせないか考えたいです。
また、本書が形式的に知識やプロセスを整理したものではなく、個々人の学びや体験がまとめられているからこそ、読みながら自分の体験と照らして学ぶことができると気付きました。
来週はpmconfに参加するため、学びを楽しんできます。
忘れたくないメモ
生々しい文脈
あなたがいま直面している課題は、検索すれば、または生成AIに聞けば「答えらしきもの」が見つかるかもしれません。しかし、本当に欲しいのは「なぜそう判断したのか」 という生々しい文脈ではないでしょうか。
改めて、答えはあくまで一過性の手段でしかなく、成功に求められる要素が複雑になればなるほど、また、そうした成功を長期的に持続可能にするためには、判断力が必要になると理解することができました。
問いの継承
私が個人的に重視しているのは、「問いの継承」です。知識やスキルは時間とともに陳腐化しますが、良い問いは長く生きます。どんなフェーズのプロダクトに対しても適用する問いは、経験の積み重ねの中からしか生まれません。
なぜそれが気になるのか、どうすれば理解を深められるのか、
そのことを言語化して伝える重要性を学びました。
いいエゴ
悪いエゴは純粋に自分自身のやりたいこと、周りの賛同を得ているか否かが違う。いいエゴは「自分はこう考えている」で仲間を増やしていけることが、チームの意思決定、会社の意思決定につながっていく。
相手を理解し、自分が考えていることを伝え、認識を揃えていくことが重要。
改めて自分の考えを豊かにしていくことと、相手と同期していくためのコミュニケーションが重要と感じました。
名実ともに
分業が進むこの環境下で、私たちが名実ともに 「PM」となるのは、肩書きを与えられた時ではなく、領域を越境してリーダーシップを発揮する姿勢を身につけられた時なのかもしれません。
私自身の環境下における役割についても同じことが言えると思い、改めて背筋が伸びました。
同じ問い
同じ問いであっても、当人が違えば別の観点がある。同じような質問を何度しても、観点が違えば理解が促進されることが分かりました。
唯一の回答がないように唯一の問いもない。
コンテキストが違えば異なる内容になる。だからこそ共有し合うことで思考を豊かにできる。