幡ヶ谷亭直吉ブログ

娘のここねと格闘するエンジニア。

PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2025 DAY2に参加しました

PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2025 DAY2に参加しました。
カンファレンス参加から得た学びをまとめます。

イベントの概要

「プロダクトヒストリーカンファレンス2025」は、AIの進化とともに変わりゆく時代のプロダクト開発に光を当て、未来への手がかりを探るテックカンファレンスです。PdM・エンジニア・デザイナーなど、プロダクトづくりの実践者たちが登壇し、プロダクトの裏側にあるリアルな試行錯誤や、普段語られない失敗・迷いに迫ります。2025年はご好評を受けて2日間に拡大。これからのプロダクトの在り方と進化を探る濃密な2日間を展開します。

引用:

lp-prohis.youtrust.jp

イベント参加の背景

  • 昨年のPRODUCT HISTORY CONFERENCEの体験がとても良かった。
    hiliteeternal.hatenablog.com
  • 昨年参加した方にセッションよりブースを楽しんだというお話を聞き、今回は自分もブースにも熱をあげようと楽しみだった。
  • 1日目は業務で参加できずでしたが、2日目は朝一のバイセル今村さんのセッションから、最後の懇親会まで終日参加。

参加したセッション

AI時代のCTO。プロダクト開発の今と未来

メモ

テックカンパニー化請負人。
バイセルは出張買取サービスのリユーステックカンパニー。
開発生産性についても連続受賞している。

CTOとは?フェーズごとに役割は変わる。
どのフェーズでも重要な役割がある。総合格闘家
経営者としての意思決定が重要。
中長期計画、プロダクト開発・エンジニア組織のマネジメントがそれにあたる。

CTOにとって中長期のビジョンが一番大事。短期は誰にでもできる。
CTOが経営戦略から逆算してテクノロジーやプロダクトをどう活用し事業を伸ばすかを考える。
未来から逆算する。
ビジネスモデル、現状/課題、今後へのビジョンからテクノロジー戦略/プロダクト戦略へつなげる。

参考:

ttj.paiza.jp


巨大な基幹システムを業務単位に分割した。
今までは必要なデータを抜き取って、BIツールに呑ませていたが、
今度はそのまま参照できるプロダクトを作った。
新しい基幹システムを作ったことでM&Aした企業に導入し、立ち上げを早くした。

DXの実現により、コスト削減などだけでなく、
グロース系の実現も顧客管理、買取など各プロダクトで実現できる状態を作った。
例:
・商品マスタ
リユース業界に商品マスタは無い。すべて網羅された情報がどこにも無い。
ゼロから商品マスタを作った。査定のための時間を短縮。
・在庫管理
リユース商品はすべて違う商品。おなじものは何一つない。
そうした要件に沿った在庫管理システムが無かったため内製し、
より多くを販売できる状態にした。

未来に向けて。
生成AI。インターネット登場からの伏線が色々回収されている感じもある。
数年後の未来になにを実現したいかをもう一度考える必要がある。
ビジネス職:
人間が注力すべきことは人間がやる。よりクリエイティブな仕事に注力。
定型化できる仕事は生成AIに。
エンジニア職:
AIネイティブな開発体制の構築による開発生産性の最大化。

全社生成AI基盤を作った。
通常オペレーションについての不明点をAI越しに確認できる状態を実現。
利用ガイドラインの整備。
生成AIツールには全力で投資を行う全社方針。
使用機会を増やすためにAIハッカソンを開催。知見共有のための勉強会開催。
昔だったら費用対効果が合わなかったことも、生成AIが軽量に実現してくれることを意識し、発想を柔軟に活用している。
CosmosがAPI化されているからこそ、AIとの接続が可能となり、業務オペレーションを更に進化することができる。

今後もAIネイティブなプロダクト開発体制づくりは続いていく。

学び

バイセルさんのプロダクトの改革に改めて凄みを感じました。
1つの巨大なプロダクトを分割することで拡張性を持たせ、そうしていたことで、今のAI活用もスムーズにいっていることに、エンジニアリングのありたい姿を改めて思い出しました。
そして、恐らく自分と今村さんが同い年なことにも恐縮しました。
インターネット凄かったし、iTunes凄かったし、YouTube/ニコ動恐かったし、AWAやばかったし、Netflixは劇的だったし。
そうした延長線上に生成AIがいるイメージがあります。

デザイナーはAIに何を任せ、何をデザインするのか

メモ

プロダクト開発におけるデザインの役割とAI活用。

・企画
情報収集に利用。データインプット、リサーチ効果の整理、ペルソナ生成、案だしに利用など。
活用例)ペルソナ生成。社内資料、アクセスログ、公開情報などからの分析・生成し、実際のインタビューなどの結果も踏まえて対話を繰り返すことで作成する。

・実装
パターン整理に利用。UIコンポーネント生成、バリエーション提案。レスポンシブ検証など。

・ベース
ルール化に利用。ガイドラインの整備、トンマナ、アクセシビリティチェックの自動化など。

AIはデザイナーを置き換えるのではなく、スピードアップする手段。

プロダクトデザイナーの注力ポイントは2つある。
・意味を問い直す力
・感情や文脈を読み取る力

学び

デザイン領域に対する知見があまりなく楽しみにしていました。
そして、とても学びになりました。
開発エンジニアと同様に、煩雑でそこまで価値を得ることができない作業はAIに任せ、
人間はより価値の高いことに注力していくことが重要になると感じています。
そして、AIが作ったペルソナに実際のインタビューなどを通した実データをもとに対話することで磨き上げるプロセスが重要であると感じました。

AIオールイン時代のプロダクト開発 ― DeNAの実践と学び

メモ

AIを使っての新規事業を作ってる。AIネイティブなプロダクト創りを進めている。

AIネイティブの定義。
プロダクトのコアな部分がAIによって継続して強化できること。

4oがなくなってショックを受けた人が多いことから、AIと人間には親和性の濃度があると考えている。生まれていた。
AIネイティブ論。ソリューション提供、機能リプレイス、体験のリプレイス、使えば使うほど親和性があがる。
DeNAでは体験のリプレイスと親和性のレベル感を重視している。
今までは企画書でやってたが手戻り大きかった。今はプロトタイプを必須にしている。

www.itmedia.co.jp


AIネイティブ度の高いプロダクト作りに必要なケイパビリティ。
PdM:生成AIを触ったモノづくりが好き。ユーザーのことを考えて作るのが好き。
デザイナー:AIネイティブなUI・UX作りに興味がある。
ソフトウェアエンジニア:AIネイティブなプロダクトのアーキテクチャや挙動整理に興味がある
AIエンジニア:AIそのものと事業の両立の仕組みを深く理解し、選定・性能改善ができる。

学び

AIネイティブのレベル感に今までなかった解像度を得ることができました。
人間とどこまで親和性をあげることが重要となるという話には、ラボットを思い出しました。
身体を持たなくても人間との距離感を縮めることができるユーザーフレンドリーなAIが重要となっていくイメージを持ちました。

AIエージェントの登場で大きく変化したプロダクト戦略の舞台裏

メモ

戦略とは、前提をもとに現状からVisionに向けた手段を戦略と定義できる。
前提が変わると取れる手段が大きく変わる。

大企業と中小企業ではAIの投資額も大きく違う。
日本の企業の多くは中小企業。日本の多くがAI投資ができていない。

前提を置くうえで大きな3つの観点
1. LLMの進化の限界⇒まだまだ進化すると思っている
2. AIが社会に受け入れられるか⇒導入には時間がかかる。結果、プロダクトの優位性を生む。
3. モデル開発企業は競合か⇒競合になりえる

モデルの進化を前提にスケーラビリティの向上に繋がるように仕込む必要がある。
AIの社会の浸透は、ユーザーに対する直接的なアプローチと、間接的なアプローチを切り分けて考える必要がある。
垂直統合が進む全体で、業務自体を管理できるようにする。

学び

kubellさんに以前カジュアル面談をして頂いたことがあり、
ChatWorkを展開されている中小企業にBPaaSを広げたいというお話を思い出しました。
そうした企業を活性化していくために、生成AIを活用していくことに共感します。

AIで 浮いた時間で 何をする?

speakerdeck.com

メモ

5、7、5。下の句、何をするかを考えたい。

・学習
AIの登場で世の中は劇的に変化し、あらゆる前提が崩れる変化を迎えている。

コード生成。
今まで構造化されていなかったデータの活用ができる。
設計、実装、テスト、レビューの一連で利用できるようにする、その前後でも活用できる。

ただ、ひとつずつが縮まるかたちで、最後に大きな余白ができる訳ではない。
コンテキストスイッチも多発し、結局は総量としては生産性が上がっていない気もする。
人間がAIに適応していく必要がある。

自分が理解できない部分をAIに任せるのは良くなさそう。
そうした意味でも、人間が学習して利用する必要がある。

何を学習するのか?
・関連技術、ドメイン、隣接領域
・AIツール、エージェントの仕組み
プロダクトマネジメント(何で作るかの部分)

学びを深めてAIと歩む。

・問い
作ることが簡単になることで、何でもすぐ作ってしまいたくなる問題がある。
ビルドトラップに陥りやすい。
なぜ作るかの問いの力を今まで以上にしみこます必要がある。

問いの底上げは、ユーザー理解と自分で考え抜くことで実現する。

問いを磨いて、答えを導く。
新しいことでは無く、昔から言われるプロダクトマネジメントの知見を活用する。

・禅
生産力が2倍になると人はどうするか。
2倍を3倍にする?適応を繰り返す?
AIで浮いた時間をさぼるという選択肢はないのか。

組織としてすぐには変化が起こらないと思う。
ただ、将来的には週休4日とかはあり得るかもしれない。

専門職のプレイヤーとしては楽しんで適応し続けることを考えていく方がよさそう。
ただ、加速し過ぎるのは気を付けた方が良い。
忙しくし過ぎるとクリエイティブな発想は生まれない。
AIの出力結果だけを頼り続けるのは今は避けた方がよい。
人間にとって価値のあるプロセスも手放してはいけない。

余白味わい、心を磨く。
AIを使わない対話も重視する。

学び

問いと創造する価値。
忙しくし過ぎるとクリエイティビティは失われるため、
我々はどうしても作ってしまう意欲に翻弄されがちなことを意識すべきと気付きました。
AIに適応することと同時に、退屈さを能動的に受け入れる必要があると思いました。

混沌を楽しめる組織が未来をつくる〜AI時代に変わらない大切なこと〜

メモ

・創業期(PMF前)
試行錯誤。
良かったこと:まず出した。新プリに作った。即決ルール。
良くなかったこと:作ってうまくいかないものもあった
理想ではなくて、ユーザー理解がすべてだった。

・成長期
限られたリソースで葛藤
良かったこと:セキュリティに挑戦。やらないことを決めた。本質的な課題を扱えた。

・拡大期
急成長に耐性が追い付かない
良かったこと:開発チームの分割(機能開発、運用基盤、品質向上)、AI導入

組織で大切にしていること。
・自分たちが一番のファンになる
・ユーザーと市場に徹底的に向き合う
・現場に飛び込む
・同じ志を持った仲間とチャレンジする
・大きな挑戦を掲げる
・小さなwinをたたえ合う

これから。
AIは劇的に進化している。
AIが答えを返す時代だからこそ、人間が問うことを重視する。

学び

試行錯誤を含めエンジニアリングの魅力を感じました。
特に自分たちのプロダクトを好きであることが、プロダクトを成長させていく原動力になると改めて感じることができました。

プロダクトを超えて事業をハックする ─ AI時代に、ドラフト1位エンジニアになる方法

メモ

事業貢献をしているエンジニアとは、社内ドラフト一位となれるエンジニア。
社内貢献は難しい。
プロダクト中心のフレームでは、プロダクト = Whyを越えづらい。
自分の役割を会社中心で考えてみる。会社もプロダクトとして捉えることができる。
事例:ドメイン知識の形式知化。PdMの物理的・時間的拡張。分析の民主化
weを最大化して、プロダクトバリューの最大化を目指す。
好奇心・創造性・探求心でエンジニアリングの強みを活かす。

学び

ソフトウェア以外のものごともプロダクトとして捉えられるといった及川卓也さんの言葉を思い出しました。
企業もプロダクトとして捉えることを意識できていなかったことに気付きました。
規模はコンテキストに依存すると思いますが、自分の所属する組織をプロダクトとして捉え変革していくイメージを持ちたいと思いました。

面接をするAI、面接を測るAI ─ 生成AI時代の開発と学び

メモ

harutaka。面接実施のためのサービス。
面接をコミュニケーションの場として捉えている。

harutakaはコミュニケーションAI。
顧客分析のための非言語解析、言語解析を実施し、面接をサポートしている。
AI模擬面接のための対話システムを実現している。
面接後のフィードバックも実現している。

現在1500万件のデータを持っている。データ基盤が重要となっている。
ただ、データを集約するにあたり技術負債の解消が課題となっている。
生成AIの活用で開発時間を80%短縮、PRドキュメント作成:100%短縮している。

非エンジニアにも生成AIの利用を促しており、顧客対応に当たる業務をAIなどで実現している。

AIの力を使って、人の力を引き出すことを考えている。

学び

ブースでも話をお伺いさせていただき、プロダクトの魅力を感じました。
面談の結果を判断するのではなく、面談の時間をより価値ある時間とするためにAIを活用することに、改めてAIを人間の営みを支援するために活用すべきと理解できました。

トヨタグループ内製開発組織が追求する、カルチャー×技術両輪によるAIとの協業

speakerdeck.com

メモ

効率はあがるが、収益はあがらない。
生成AI宣言。AIと人の手に両方で比較するなら迷わずAIを活用する。
事務生産性、開発生産性、クリエイティブで利用している。

AIを使いこなしているとは。
AIを中心に新しい価値を作っていく。既存の枠組にAIが適応していくこと。
効率指標から価値指標を目指していく必要がある。

個人活用は進んでいるが、組織活用にまでは繋がっていない。
組織活用に繋げるために基盤を固めていく必要がある。
Gen-AIパラドックスを抜けだして、事業/PLに繋げていく必要がある。
AIエージェント導入以前に、組織的に導入できる状態を築く必要がある。

AI活用をAIネイティブ型、トップダウン型、ボトムアップ型、アーリーアダプター型と分けることができる。
技術進歩に合わせ組織進歩を戦略的に実現していく。

・生成AIツールを使ったプロダクト開発
内製化の意義:全員使える、独自機能の実装、生成AIツール開発力の醸成
社内に広げるために:期待を損ねない/離脱防止に向けた当たり前品質、継続的周知、計測による施策立案とロードマップ策定
測れるから伸ばすことができる。詳細な活用ログでデータ駆動的なアプローチを実施。
現状、浸透はできたため、次は成果を目指していく。
最低限の機能、独自機能の両面で継続開発を実現していく。

学び

開発生産性カンファレンス以来kintoテクノロジーズさんに大きな魅力を感じています。

hiliteeternal.hatenablog.com


AI活用に対するどちらか悩んだらAI活用に踏み倒せといった前傾姿勢に魅力を感じました。
また、「AIを使いこなしているとは」を定義することは、使うことに溺れることを防ぎ、オーナーシップを持った活用を進めることができるイメージを持てました。

ブース

ブースめぐりを楽しみました。
特に特別なお時間を頂いてお話を伺える仕組みは満足度が高かったです。

kintoさんにはプロダクトの種類や、プロダクトごとのチームや開発プロセスについてお聞きすることができました。
お土産にトミカ頂けることも嬉しいです。
Gineeさんにはプロダクトの特性や求められるスキルスタックについてお伺いしました。
自分に経験のない領域のプロダクトのためとても勉強になりました。Pythonの採択についての議論が興味深かったです。
パーソルキャリアさんにはプロダクトや開発組織の話をお伺いしました。内製化に向けた課題や生成AIの活用についての話が興味深かったです。

また、製造業のDX化やAI活用を促進するような企業様のお話が、自分にも遠縁ではないため興味深かったです。
LAPRASさんには最近テックブログを書き始めた人間としてフィードバックに励まされているため、感謝をお伝えできて嬉しかったです。

ノベルティもありがとうございます。お菓子類は帰宅後さっそく娘にあげました。

懇親会

一方的に知っている方やSNS上では繋がっていた方とご挨拶できて嬉しかったです。
カオナビ社、魅力的なエンジニアの方たち多い。
聖蹟でのエンジニアニメ開催も楽しみにしています。

学びと感想

1日通して刺激と学びの多い1日でした。
いつも行くカンファレンスなどではお会いできない企業の方たちにもご挨拶できて嬉しかったです。
エンジニアの世界広い。
PRODUCT HISTORY CONFERENCEの参加者はエンジニア率が高いといった話を聞き、プロダクトの歴史に興味があるエンジニアが集まるカンファレンスって素敵だなと思いました。
来年の開催も楽しみです。