読書メモ。2025年57冊目。
『ふりかえりガイドブック』を読んでの感想となります。(2025/8/2記載)
本の概要
アジャイルのチーム開発に欠かせない「ふりかえり」とは、
メンバー全員でこれまでのやりかたを定期的に見直し、
チームをよりよい方向へ少しずつ変化させていく活動です。しかし、ふりかえりをはじめてもなかなかうまくいかず、
改善に結びつかないというチームも多くあります。本書はそんなチームのために、
●「ふりかえりをなぜ行うのか」という目的
●「どんなメリットがあるのか」という効果
●「どのように行えばよいのか」という流れや手法、マインドセット
などについて、架空の開発現場を舞台にしたマンガとともに、
一冊でわかりやすく解説します。また、読者が自分のチームですぐに実践できる
ふりかえりの手法を多数紹介。チームファシリテーターとしてふりかえりを突き詰めてきた
著者の豊富な経験をもとにした解説で、具体的な始め方、
チームの状況にあった型や手法の選び方がわかります。●ふりかえりをどう進めたらよいかわからない
●ふりかえりにチームメンバーが乗り気でない、価値を感じていない
●ふりかえりがマンネリ化して、続かなくなってしまう
もしこんな課題を抱えているのなら、
この本がふりかえりのガイドとしてきっと役に立ちます。本書をきっかけに、ふりかえりについて理解を深め、
チームをよりよくするための一歩目を踏み出しましょう。
引用:
動機
- 今年4月のふりかえりカンファレンスに参加してはじめてチームでふりかえりを行うことの重要性を実感できた。
- 4月から続けてきたふりかえりがうまく機能せず、我々がふりかえる意義をチームで認識を合わせることができた。
- これから新しいふりかえりを実現していくにあたり、改めてふりかえりを学びたくなった。
本書からの学び
個人的な大きな反省があります。
長い間、ふりかえりの機会を個々人での発案の場として捉えていました。
メンバー間での経験の共有や、チームでの改善の検討などは意識せず、ひたすら自分の経験から最適と思う改善施策を提案する場として扱ってしまっていました。
個々人のものではなく、チームのものとして意識しはじめることができたのはわりと最近のことな気がします。
そうした意味で、今こそ本書を読むべきタイミングだった気もしています。
もしかしたら、もう少し前に読んでいたらフレームワークをなんとなく覚えるぐらいしか身にならなかったかも知れません。
ひとりで施策を出し続けていた状態ではチームが能動的に動ける状態を実現できませんでした。
それはチームにとっては制度を押し付けられる形になっていたからだと思っています。
そうではなく、チームとして今の自分たちが実現できる改善策を考え、実現していくことでこそ、ふりかえりがチームの成長を実現してくれるものと理解をしています。
そうしたふりかえりを実現していくにあたり、本書は場の設定やフレームワークの採択、その場に臨むマインドなども含めて大きく助けになってくれる一冊だと思いました。
特にふりかえりのフレームワークについては、レトロスペクティブという場に対してだけでなく、日常の業務のなかでもふりかえるための方法として参照したいと思いました。
忘れたくないメモ
本書で特に印象に残ったポイントを振り返ります。
チームの柔軟性を実現するコミュニケーション
コミュニケーションは相互理解を促進し、チーム内外での繋がりを強くします。繋がりの強いチームは、チームに必要な情報を素早く集め、共有し、協調して動きやすい態勢が整っているため、変化が起こっても全員で柔軟に対応していくことができます。変化に強いチームは、チーム全員で学び続け、自分たちのコミュニケーション(対話)やコラボレーション(協調)を見直し、カイゼンし続けることによって生み出されていきます。
相互理解を意図したコミュニケーションの重要性を理解しました。
作業ベースだけで終わらず、もっと人となりに対する理解も含めたコミュニケーションを意識できるようにしたい。
チームとしてオーナーシップを持てるプロセス改善
「プロセスのカイゼン」が「チームの成長を加速させる」よりも後の段階になっているのには理由があります。チームの信頼関係を十分に構築できていない状態でプロセスを変えようとすると、問題発生時に原因責任の追及が行われ、原因を作り出した人の心理的・肉体的負荷を高めることになりがちです。こうした行為はチームの分断を強めるほか、一度追及を受けた人は問題を隠すようになってしまいます。
チームの信頼関係が高まっている状態であれば、「チームとしてのアクション」 へと考え方がシフトしやすくなります。チームがメンバーのことをフォローし、 チーム全員で前へ向かっていく意識を持ちましょう。そうすれば、チームのためを考えて、チームのパフォーマンスを上げるアクションを検討できるようになります。
プロセス改善の施策とチーム成長のバランスを考えることができていなかったことに気付きました。
現状の我々のチームはプロセス改善に失敗した時にチーム分断が発生しないほどには信頼関係の構築はできているとは思うものの、
ただ、新しいプロセスがチームとなるものかというと、発案者の考えたものとして扱うイメージもしました。
そうならないように、改善されるプロセスをチームが自分のものとして捉えられる状態を実現していきたいと思いました。
場の設計
全員がふりかえりに集中するために、最初に全員で意見を出し合ってテーマを決め、「ふりかえりを全員で作り上げる」意識を醸成します。
我々のふりかえりがうまく機能しなかったのは、無意識に借り物の場に参加していたと反省しました。
我々がその場を作り上げる必要があると実感しています。
経験学習サイクル
経験学習サイクルは、具体的経験→內省的省察→抽象的概念化→積極的実践の4 つを円環として繰り返すサイクルです。
個人ではなくチームとしての学習を意識したいです。
チーム全員で成し遂げる
大事なのは「一人が行動を変える」のではなく「チーム全員が行動を変える」ということです。一人で行うアクションは、チームの一体感が生まれていないときほど、「彼・彼女がやるアクション(タスク)なのだから私には関係ない」という思考を生み、チームをさらなる分断へと向かわせます。「○○さんが××をする」といった誰か一人の行動を変えるようなアクションだとしても、それをチーム全員で成し遂げようとする意識を持ちましょう。チームメンバー同士でフォローし合ったり、 そもそも属人化している部分をなくしたりと、チーム全体で取り組めることは多数あります。
フルスタックでの開発に置いて、領域ごとにメンバーの強みが異なります。
特にインフラ領域については、メンバー間でのスキル差がかなり大きいです。
ただ、できるメンバーに任せきるのではなく、付いていけないという現実を知る機会であってもチームで捉えたい。
何のためにふりかえりをするのか
「ふりかえりで大事なのは「何のためにふりかえりをするのか」をチーム全員が理解し、納得していることです。ただ手法をなぞるだけでは、すぐに目に見える効果が現れなかったときに、「ふりかえりをやったが意味がなかった」と捉えてしまい、 「次回からふりかえりをスキップしてしまいがちです。
改めて、ふりかえりの場は我々のための場であると実感をしました。
我々が何を実現したいかが重要であって、それに合った手段を採択すべき。
アクションの大きさ
できるだけ早くフィードバックを受けられるようなアクションを生み出し、すぐにアクションを実行していくことを意識しましょう。
中長期的なアクションも、短期的なアクションに分解して、少しずつフィードバックを得られるようにしましょう。途中でフィードバックを得られれば、軌道修正が容易になり、理想のゴールへと近づいていけるでしょう。
互いにフィードバックしあう関係が築けるようになると、コミュニケーションが活性化し、コラボレーションが生まれやすくなります。チームの中で、こまめなフィードバックをしあえるような環境を整えていきましょう。
意識できていませんでした。
プロダクトの機能実現の際に、必要最小限の状態でリリースしてその後の要望に応じて改善していくようなアプローチは取れていますが、
ふりかえりで生まれるアクションについては規模を意識することができていないことに気付きました。
アジリティを高めることは、プロダクト開発に対してだけでなく、プロダクトを開発する我々に対しても同様であると理解しました。
ふりかえりの中で出してほしいアクションは捨てる
あなたがもし「チームにふりかえりの中で出してほしいアクション」を心の中に持っているのであれば、それを捨てることから始めましょう。「ふりかえりの正解」を求めてしまうと、チームをその方向に強く牽引・誘導してしまいます。誘導されていると気づいたチームメンバーは良い思いをしませんし、全員でふりかえりをしているのに、あなただけで最初から出した結論以上の成果が生まれないことになります。
チームを信頼し、チームに委ねてみましょう。新しい、面白い意見を歓迎し、全員で話し合ってみましょう。そうすることで、想像もつかなかったようなふりかえりの結果が生み出せるようになります。
かつて自分がスクラムマスターの役割だったころに、ここで書かれているアンチパターンをそのまま実現していました。
改めてチームのためのふりかえりをできておらず、スクラムマスターという役割だけ任せられたマネージャーだったと反省しています。
チームの成長に軸足を置き、「捨てる」こと意識していきます。
コミュニケーションとコラボレーション
「コミュニケーションとコラボレーション」というテーマで話し合うこと自体が、コミュニケーションとコラボレーションの向上に寄与してくれる
ふりかえりの目的を会話できた今、我々はなぜコミュニケーションやコラボレーションをするのかという目的を共有の認知とする重要性も感じました。
チームのためのTry
無意識のままTryを書くと、自分自身のためのTryになりがちだから、Tryを出す前にチームには「チームのためのTryを考えよう」と念押しして伝えてみよう
言葉にして伝えることの重要性を学びます。
自己満足なTryではなくても、個人のTryとチームのTryは違うものになる気がする。
皆がチームに対する意識を持つためにも、言葉にすることが重要と思いました。
意図や価値観を知ろうとする
「なぜこの人はそういう考えを持ったのだろうか」と考えると、相互理解が深まるよ。もし、意図がわからなければ、その場で聞いてしまおう。回答者の状況や状態に応じて、回答は変わるものだから、表面上の意見だけでなく、そうした裏側の意図や価値観までを知ろうとすることで、チームの信頼関係をいっそう高めていけるはずだよ。
抽象度があがればあがるほど意図や価値観に対する想定は共有化しづらくなる気もします。
なので、事例から背景や意図を見える状態にして、チーム内で認知ができる状態を作っていくことが重要と思いました。
個人間で分かる状態より、チームとして捉えられる状態を実現したい。