TechRAMEN 2025 Conferenceで、『プロダクトという一杯を作る』というタイトルではじめての登壇を経験しました。
今回の登壇を通しての学びを残します。
登壇に至る経緯
登壇に至る経緯についはこちらに記載しています。
プロポーザルに至ったのはアウトプットに対する向き合い方の変化 * ラーメン好きという要因からで、
登壇に至ったのはカンファレンスから感じた熱量と、その熱量の中採択頂いたのでしっかり盛り上げたいという想いからでした。
登壇資料
資料作成をふりかえる
資料内容について
今回、はじめて外部登壇用の資料を作成しました。
パワポで良いんだよね…?といった初歩的な部分からのスタートでした。
資料作成にはだいたい2週間をかけました。恐らく時間換算すると15時間前後ぐらい。
1週間ぐらいで人前で話せる程度には固まり、残り1週間でリハを通して感じた違和感を基に改善していきました。
プロポーザルの時に想定していた内容は1週間で書けたものの、そこから1週間で解像度を上げた形となります。
その改善にあたる違和感は自分にとって大きな学びとなりました。
大きく2つの違和感がありました。
物語の主語からの学びについて
まず1つ目に物語の主語に違和感がありました。
プロポーザル時点で伝えたいことの根幹はチーム開発における失敗と学びで決まっていました。
1週間で作成した資料では、特に主語を気にせずにストーリーを並べていました。
ただ、そうすると、プロジェクトマネージャーである私がストーリーの語り手であることで、後半のチームの自己組織化の主語がおかしくなることに気付きました。
自己組織化の主語はチームであり、プロジェクトマネージャーではないことを明確にすべきだと追記をしました。
また、そうすることで、チームの自己組織化の中でプロジェクトマネージャーとして実現できたことは何だったのかが、曖昧であることに気付きました。
そして、それは彼らの自己組織化を守っていくことであると、改めて意識することができました。
日々の業務の中できれいに切り分けて考えられていた訳ではないですが、
改めて、意図的に実現していきたいと思いました。
意図や方針は毎日の業務に埋もれがちだからこそ、形式知にして活かしていきたい。
直近読んだ『エンジニアリングマネージャーお悩み相談室』や、
『マネジメントする人される人ナイト 2025』でのナカミチさんの登壇内容が
より今回得た学びを指針とする上で補強してくれるイメージをしています。
自己紹介からの学びについて
2つ目の違和感として自己紹介をとても悩みました。
本名を名乗るか、所属企業を名乗るかが焦点となります。
最初は幡ヶ谷亭直吉という紹介のみで話そうと思っていました。
ただ、それで実際の自分の体験を真摯に話せるかと思うと、本名を名乗るべきだとも思いました。
幡ヶ谷亭だけで行くと、自分が暗黙的にでも現実との乖離を許容し、伝えやすいことでストーリーを脚色していく気がしました。
伝えやすさを選ぶのではなく、伝えにくい内容の言語化にも向き合えるように、自分の名前を名乗ることにしました。
所属企業について、最初は名乗らないことに決めていました。
我々の物語は企業のサービスと必ずしも同期しておらず、n=1の物語のため、所属企業を名乗ることに違和感がありました。
ただ、キーノートの米内さんのお話を聞き、個人の灼熱を企業の名前でお話されることに覚悟を感じました。
そのままの流れで、自分が企業名を名乗らないことは自分が伝えたい内容に対して良くない傾向に働くと判断し、
違和感が完全に消えたわけではないものの、覚悟を重視し、名乗ることにしました。
この2つの悩みからも外部での登壇に対する向き合い方を学ぶことができました。
資料作成について
レビューについて
毎日資料を更新した後は、手を加えた資料をNotebookLMに読み込ませて音声化、どのような解説になるかを確認しました。
また、ChatGPTにもレビューを依頼し、修正を繰り返していきました。
生成AIの回答から自分が改善すべきものと、許容したいものを切り分けて資料を改善していきました。
ひとりだけで資料作成を進めていきましたが、生成AIが壁打ちをしてくれてとても助かりました。
リハーサルでは毎回Google Meetで録画し、話し方やテンポを客観的に振り返るようにしました。
今回はできませんでしたが、音声データをもとに生成AIにレビュー依頼をしたら、もっと自分だけでは実現できない改善ができそうだとも思いました。
語るべき内容の重視について
語りたい内容ではなく、語るべき内容を資料にできるように気を付けました。
最初は語りたい内容をそのまま描いた結果、趣旨がぼやけたり、冗長に感じる形になりました。
『LTのためのLT会』でのLAPRAS CTO 興梠さんの『登壇者は主役を引き立てるための脇役でしかない』という内容を何度も思い出していました。
自分語りに陥りがちな自分にとってとても大きな指針となりました。
登壇をふりかえる
会話の重心について
伝えたいことの重心は資料作成で築くことはできていたため、そのポイントを丁寧に踏むように気を付けました。
はじめての登壇で緊張はありましたが、考えるポイントを少なくすることで余裕を作ることができました。
…とはいえ、小さなレベルで言えばもっと適切な言葉の選択ができたはずなのに、という反省はあるため、
もっと経験を積むことで余裕を作り、柔軟性を高めたいです。
利用したアイテムについて
『LTのためのLT会』での宇田川さんの登壇内容にあったクリッカーを準備しました。
アイテムを購入することで、登壇を今回だけで終わらせないという自分に対するプレッシャーもかけています。
はしもつさんのポストから同じものを購入しました。
今日初めてクリッカーを使いました。
— はしもつ@転職活動中 (@_hashimo2) 2025年6月26日
これは捗ります。オススメ。https://t.co/AkQkKGo3Js#LTのためのLT会
登壇後をふりかえる
フィードバックについて
自分が実践から得た学びが、コンテキストの異なる実践のなかにいる方たちの役に立てるのだろうか、という悩みが最後までありました。
聞いてくださった方たちにフィードバック頂けたことで、自信と学びを得ることができました。
本当にありがとうございました。
Xのタイムライン上でのフィードバックについて
はじめて登壇者の視点でXでのコメントの価値について気付くことができました。
喋っていることに対するフィードバックがこんなに嬉しいこととは。
登壇後に読んで、自分の話を聞いてくださってありがとうございます、と心から思いました。
登壇後の質問について
2名の方が質問のために手を挙げてくださいました。
正直、手を挙げてくださる方はいないものと勝手に思い、ぎりぎりまで話を詰めていました。
手を挙げてくださることで、自分の登壇を聞いてくださったことが分かり、本当に嬉しかったです。
また、質問頂いた内容からは、改めて自分の登壇を見つめ直すことができました。
特に、「戦略の失敗をいつ気付くことができたか?」という質問からは、自分が未整理だった内容にも気づくことができました。
戦略の失敗には、スケジュール遅延が解消されなかったことと、チーム分断によりチームの自己組織化を妨げたことがあったと思っています。
そして、後者については自分の責任と意識はできていたものの、前者については要求や要件の実現困難さに起因するものと、自分で盲目的に整理してしまっていたことに気付きました。
その原因は、契約というミッションに向き合うことで、プロダクト開発に向けての発注する側、受注する側という役割を強めてしまっていた気もしています。
質問頂かないと見落としていたかもしれない内容でした。ありがたいです。
登壇後の廊下話や懇親会での会話について
何名かの方に登壇後や懇親会の中でお声がけ頂きました。
私のチームと同じような境遇で葛藤されている方もおり、そうした方の一助になることができたことを知ることができて嬉しかったです。
私の実践からの学びがどこまで共有できるものかという不安があったため、そうしたフィードバックにより、自分の経験が共有知としても活かせるものであることを知ることができ貴重な体験となりました。
エンジニアコミュニティに憧れがあり、相互のフィードバックでお互いの環境を良くしていくというあり方に魅力を感じています。
私もそうした中で双方向でコミュニケーションが取れることを知ることができて嬉しかったです。
まとめ
はじめての登壇から大きな学びを得ることができました。
プロポーザルを提出した時点よりも資料作成を通し実践から得た学びを整理することができ、
登壇を通したフィードバックにより、更に新しい視点も得ることができました。
また、そうした自分の学びが聞いてくださった方たちに伝わったことも嬉しかったです。
今後も学びの中で実践を繰り返していき、形式知としたものをアウトプットしていきたいと思いました。