Product Engineering Night #9 〜7月号〜 に参加しました。
勉強会に参加した感想を纏めます。

イベントの概要
Product Engineering Nightは、プロダクト志向のエンジニアが集まり、知見を共有し、議論を深める場です。
今回から「月刊誌」形式でノンテーマ開催を始めます。交流会での参加者同士の議論にこそ、新たな価値が生まれる瞬間がある。幅広いテーマがあればこそ、より深い議論が生まれる、そう考えています。
今回の「7月号」では、2つのコンテンツを設定しました。
🎨 デザインへの越境 ― エンジニアがデザインを学ぶことで、どんな新しい価値が生まれるのか?
🤖 AI時代のプロダクトエンジニアリング ― AIがコーディングを自動化する時代、エンジニアに求められる本質的な価値とは?
また Product Engineering Night という名前に変更し、特定の職種によらず、プロダクト価値を高めるために幅広い技術・知見を交わす場として再設計しました。プロダクトエンジニアに関する note はこちら
過去の参加者アンケートでのNPSは9.4と非常に高く、セッションだけのイベントではなく、全員が楽しく議論をする熱狂的なイベントを実施しています。プロダクトエンジニアリングという姿勢・開発知見に興味がある方は、ぜひ奮ってご参加ください!
引用:
イベント参加の背景
- プロダクトエンジニアという概念にここ1年ぐらい魅了され続けている。
- デザインへの越境、AI時代のプロダクトエンジニアリング、両テーマとも気になる。
- 前回はオンライン参加でしたが、今回は現地で参加できました!
セッション
Session1 『プロダクトエンジニア』を目指してCTOがデザインを学んでみた
メモ
・新規事業で活躍するエンジニアは深さと共に広さが求められる。
・VUCAの時代において仮説検証の重要性が増している。
・AI活用により劇的な生産性の向上が実現されている。
⇒3つの背景によりプロダクトエンジニアを模索した。
プロダクトエンジニアで求められる要素の中で、UXデザインが一番正解がなく難しいと思った。
そうした中でMoDと出会った。
Figmaの利用などから始まることを想定したが、デッサンから始まった。
デッサンを通して観察力を養うところから始まった。
基礎を学んだあとにプロダクト製作がはじまった。
ダブルダイアモンドの各工程を体験した。
学んだこと。
・デザインの基礎から応用まで幅広く学ぶことができた
ダブルダイアモンドの一連の経験ができた。
結果、デザイナーと共通言語で会話ができるようになった。
・逆推論
後付けのロジックという新たな思考法を発見した。
デザイナーの逆推論=アブダクションラインのイメージ。デザイナーは抽象から段階的に選択をして最終的な具象に到達するのではない。一気に尤もらしい具象を掴み、そこから最初の抽象へとリバースエンジニアリングのパスを通す。形が先にあり、ロジックは後から見出されるのである。 pic.twitter.com/nnnUaAEonR
— Manabu Ueno (@manabuueno) 2019年7月13日
もともと逆推論に対する抵抗があったが、逆推論を体感することによってその真価を学ぶことができた。
・課題を磨くこと
調査を通すことで、課題を解決する前に、本質的な課題を捉えていくことを学んだ。
学んで終わりではなく、アウトプットを通して価値を実証していく。
感想
デザインを学んで体験することによってデザイナーとの共通言語ができたことが印象的でした。
理論だけでなく体験することの価値を改めてイメージすることができました。
また、逆推論について、頭から理論武装するのではなく、後付けで組み立てて再発見することで理論を拡張できるイメージを持てました。意識したいです。
Panel Discussion デザインへの越境〜プロダクトエンジニアリングとデザインの掛け算で生まれる価値〜
メモ
・田中さん
MoD事業責任者。81年生まれ。黎明期から活躍。
MoD=理論と実践を通じて学べる。今第三期。
AIが活況となる中でデザインに対しても「何でやる必要があるか」が重要な時代になっていると思っている。
■最初に
・丹羽さん
デザインはセンスだけではない。理論があれば再現性がある。
ただ、どこから学ぶかが難しい。
・大庭さん
MoDではツールの使い方などではなくデッサンから学ぶことが大きかった。
・田中さん
美しさを分析する力が重要。作る力は見る力。
意識してものを見ることで変わる。分析することで再現ができるようになる。
・大庭さん
人が作ったスライドに対して細かい部分(フォントなど)が気になるようになった。
デザイナーのアウトプットに対しても、質問ができるようになった。
課題に対して解像度が持てているかなど、行動原理が変わった。
・丹羽さん
課題を自分事にできるかだけではなく、課題に対する解像度があがるとソリューションの質があがる。
・田中さん
課題に対するソリューションを提示できているかの解像度を上げて設計していくことがデザインの醍醐味。
問いの中に問いが階層化される。
■QA
□美術の成績2でもできるか?
・田中さん
教育の問題。観察から始めれば学びなおせる。
□何から学ぶ?
・大庭さん
最初は自分の思い込みのイメージをアンラーニングする。
□理論とアウトプットの差分の埋め方
・田中さん
見たものを手で再現できるようにする。
次にツールで再現できるようにする。
感想
イメージできることは実現できるという話があります。
今回の話からいかに観察を通して実体に対する解像度をあげれるかという話があると思いました。
解像度=理解度をあげることができないと再現ができない。
解像度=理解度をあげていくことで再現性を持たせられる。
丹羽さんの課題に対する解像度があがるとソリューションの質があがるという話も印象的でした。
また、解像度をあげることで他者との共有がしやすくなり、チームで捉えやすくなるという話もあると思いました。
Panel Discussion AI時代のプロダクトエンジニアリングの役割
メモ
・稲葉さん
hacomono。プロダクトリードエンジニア。hacomonoでのひとりめEM。
今はコア機能開発+育成が役割。
・赤澤さん
タイミーVPoE。課題解決と向き合っている。
■企業的な活用状況
・稲葉さん(hacomono)
AI推進部を立てている。全社目標にもAI活用が入っている。
どう使っていくか、どう気を付けるべきかを考えながら進めている。
・赤澤さん(タイミー)
バイブコーディング推進している。
自分が好きなエディターを使うことを推奨している。逆に決め切れてもいない。
個人としてはエディタを除くとNotebookLMを一番利用している。
・丹羽さん(アセンド)
皆で同じものを使っている。
メンバー間でR&D的なことが得意な人とプロダクト開発が得意な人とでAI活用の開拓にあたる推進ではバランスをとっている。
年額課金をしないことを大事にしている。
■開発どう変わったか
□hacomonoさん
・稲葉さん(hacomono)
個人差がある。
設計から入る仕事では生成AIよりコンテキストを持つ自分の方が速いと思っている。
AIは秘書感覚で使っている。
・丹羽さん(アセンド)
個人の思想とAIを同期化するのがハードルになる。
□タイミーさん
・赤澤さん(タイミー)
ここ2年ぐらいで考えると、虚しさ疲労感も感じている。
バイブコーディングについて、生産性(アウトプット総量)が増えても楽にならないと思っている。
高頻度で高強度での意思決定が求められて、結果疲れが来る。
なので、生成AIによって自分たちが楽になるかは分からないと思っている。
・丹羽さん(アセンド)
そのためには、エンジニアの楽しさを再発見する必要がある。
■何を楽しみにするか?
・稲葉さん(hacomono)
まだAIが進化していっても、自分が作ったと言えるプロダクト作りは続けられる。
開発者冥利は残っていくと思っているし、残したいと思っている。
・赤澤さん(タイミー)
起点と終点は残る。意思決定と責任。
自分のものではない専門領域を学びやすくなった。
専門家同士の会話もAIが解釈してくれるようになった。
・丹羽さん(アセンド)
越境しやすくなった。越境後の統合していくことも人に求められる。
プロダクトビジョンに沿った意思決定が人に残る。意思の質が求められていく。
・稲葉さん(hacomono)
自分が作ったものに対する説明責任は自分で持ちたいと思っている。
結果、AIが生成した成果物について、理由を説明する責任は人間に残る。
■AI×プロダクトエンジニアの時代でどうしたエンジニアが残っていくのか?
・稲葉さん(hacomono)
何が課題か、それに対するベストな解決策は何かはまだエンジニアの仕事。
一番大事なところだとも思っている。
・赤澤さん(タイミー)
越境性、横断性。広さと深さの追求は反しない。
隣接領域の山が高くなっていく。ダブルダイアモンドで一気通貫しやすくなっていく。
・丹羽さん(アセンド)
Yを突き詰める人。ラーニング早い人。統合能力と意思決定能力。
技術のスペシャリティもより光るようになってきた。
■QA
□プロダクトエンジニアリングにおいてAIが来て変わったこと
・稲葉さん(hacomono)
本質は変わらない。
・赤澤さん(タイミー)
アウトカムが重要。
今まではYAGNIが重要視されていたが、今までよりも無駄打ちができるようになった。
・丹羽さん(アセンド)
ABテストがしやすくなった。
作る時間が速くなり、人間の中でのディスカッションする時間が増えた。
□採用
・稲葉さん(hacomono)
企業では表立っての方針はないが、個人では気にしている。
相手に対して、AIに代替できない価値が何かを意識するようになった。
・赤澤さん(タイミー)
設問として業務としての使い方は聞く。かつ、個人で使っているかを聞いている。
AI、LLMとのナビゲーターとして振る舞いを確認している。
・丹羽さん(アセンド)
プロダクトエンジニアリングを生成AIで強めたいと思っている。
□AIのために設計変えたりしましたか?
・稲葉さん(hacomono)
何を考え、何を課題解決したいかを伝えることをより意識するようになった。
AIに対してどう書けば良いか分からないので、人に対してより詳しく伝えられるようにしている。
・赤澤さん(タイミー)
言語化、構造化を大事にしている。
知識になったものを言語化、構造化して、共有できるようにしている。
全社でNotionにためている。フロードキュメントが多い。
今あるフローとストックを切り分け、ストック情報をAIに食わせられるようにしている。
・丹羽さん(アセンド)
ナレッジマネジメントがより重要になっている。
アクセス性をいかに高めるか。どう回すかが重要になっていく。
感想
稲葉さんの
・自分が作ったものに対する説明責任は自分で持ちたいと思っている。
・何を考え、何を課題解決したいかを伝えることをより意識するようになった。
というお話が印象的でした。
我々はコードに意図を込める必要があるし、意図を持つのはまだ人間であると理解しています。
そのうえで、意図の込め方をチームや組織で養っていくかが重要になっていくイメージも持てました。
我々はトライ&エラーでの四苦八苦を通してコードを自分のものにする経験を持てたが、これからそれをどう代替手段で実現していくか。
説明責任どう果たしていくかを考えていかないと思いました。
それに対して、赤澤さん無駄打ちしやすくなったという話も印象的でした。
もしかしたら、遠くない将来、無責任にデプロイしたコードの収集も高速にAIが実現していくイメージもあります。
自分事化する必要すらない未来もあり得そうな気がしています。
ただ、そうした時でも目的志向は残っていくイメージを持っています。
何を考えているかは明瞭化していきたいと思います。
Unconference! (交流会)
交流会、いつも生のコミュニケーションの貴重さを学びます。
オフラインでの参加の醍醐味を味わいました。
会話させて頂きました皆さまありがとうございました。
運よく登壇者の赤澤さんと懇親会で同席になり、チームトポロジーやDevOpsに関するお話をお聞きすることができました。
イネーブリングチームのメンバーを外部から招く場合は、一度はストリームアラインドでの経験を経たうえで、イネーブリングに移行していくのが良いと思うというお話はとても納得でした。
コンテキストを知らない人が教科書片手に現れても、チームは自分事として消化できずアレルギー反応を起こしそうなイメージを持ちました。
また、イネーブリングにならず、私考える人あなた作る人という分断も起こしそうなリスクも感じました。
ストリームアラインドチームのコンテキストに馴染んだうえで、強みを発揮していく動きが重要とイメージできました。
また、イネーブリングチームに越境される側としても、アレルギー反応起こさず、一緒に目的を見据えられるかが重要という話も納得でした。
Dev対Opsのような暗黙的にでも対立関係のある組織だと陥りがちな気がしました。
改めて、我々という概念を広義で持ち、同じ目的意識を持てる組織構造が重要とイメージしました。
また、稲葉さんとも運よく会話できて嬉しかったです。
生成AIの活用において、自分がコードに説明責任を持つ、ということをチームとして扱っていくには、というのが今後課題になっていくとイメージできました。
PRの同期レビューなどで、「なんでこここう書いているの?」に対して、うまく答えられない若手エンジニアが増えそうな気がするし、
「なんでこここう書いているの?」という気づけないことも多くなっていくイメージがあります。
改めて、速度と何かをトレードオフして、適切なスピードにコントロールしていくことが重要なのかも知れないと思いました。
オンラインでは得られない学びです。ありがたいです。
感想
今日の根幹にある学びとしては、越境後の統合にある気がしています。
「越境」という言葉からは、個人が領域をまたぐことをイメージしますが、
跨いだ先のものといかに主目的に対して共創していくかが重要だと思っています。
それは、課題を自分事にできるかだけではなく、課題に対する解像度があがるとソリューションの質があがるという言葉にもあてはまると思いました。
そうした意味では、デザインの領域を知るだけではなく、プロダクトの価値を高めるという共通の目的に対して還元することが重要であり、
生成AIという生産性爆上げ装置をもとに、いかに余った時間を主目的に還元していくかが重要、というイメージを持っています。
プロダクトエンジニアリングの真価とは、プロダクトの価値に主軸に置いて、我々がどうやって視野を広げてオーナーシップを持って価値の実現を目指していけるか、であると改めて思いました。
いつも学びと刺激の多いイベントをありがとうございます!!