幡ヶ谷亭直吉ブログ

娘のここねと格闘するエンジニア。

生成AI × 組織論Night に参加しました

生成AI × 組織論Night に参加しました。

イベントの概要

生成AIの波は、もう「未来の話」ではありません。
プロダクトの開発サイクルも、チームの在り方も、コードベースそのものすら──すべてが “AI ファースト” を前提に組み直されるフェーズに突入しています。 本イベント 「生成AI × 組織論 Night」 では、AI 時代に最適化されたテック組織はどう設計すべきかを、現場の知見とリアルな課題を持ち寄って徹底議論します。

引用:

algomatic.connpass.com

イベント参加の背景

  • 広木さんのお話にいつも大きな学びと刺激を頂いている。
  • ばんくしさんのお話にいつも大きな学びと刺激を頂いている。
  • 生成AIを味方につけた組織設計・技術戦略を、自分の手でアップデートしたい!!

セッション

生成AI時代の開発組織・技術・プロセス〜ログラスの挑戦と考察〜

speakerdeck.com

メモ

ログラスはCEOが全エンジニアにCursorを配る発信をした。

comemo.nikkei.com

2023年後半頃からCursor気になっていた。
2024年初頭はDevinが話題。
2024年末頃から新規事業にCursorをがっつり使い始めた。
実用できることの実感より、2月頃全エンジニアに配る意思決定に至った。
4/5月、エンジニアだけでなくPdM、デザイナー、ビジネスサイド迄使い始めた。
ここまでボトムアップで試行錯誤で進めていった。

もっと前に向かっていける状態を作るために、職種横断のAI推進チームを立ち上げた。
プロダクトのライフサイクルをいかに前に回していくための検討を始めた。
・AI活用のための基盤・ガバナンス整備
・AI活用の実践と業務プロセスへの統合

例:
・PdM⇒競合調査にCursor利用など
・デザイナー⇒ユーザビリティテストなど

note.com

・エンジニア領域⇒ドキュメント整備など

speakerdeck.com


ここ1か月だけでも劇的に風向きが変わっている。
いまやコーディングにCursorを使わずClaude-Codeを使っている。
完全にエージェントであり、ひとりのエンジニアとしてコーディングを進めてくれる。

組織論。
ログラスの開発組織を支えるTechValue。UpdateNormal。
常にこのマインドを持っているからこそ、AI時代に皆で向かっていけている。

AIエージェントのメリデメ。
物量の多さ。AIエージェントは一気に開発してくる。
コンテキストの理解は限界を感じる。
品質保証の新たな課題がある。AIエージェントが作ったものの積み重ねの先にカオスがある気配がある。
そんな中、形式手法や関数型モデリングとシフトレフト的に相性が良いように思える。
AIを使うからこそ形式手法の価値が生まれてくる。

speakerdeck.com


ログラスの組織としての差別化ポイント。
経営陣が生成AIを実際に利用して価値を実感してこそ組織が変わっていく。

感想

いつもログラスさんに全方位的に学びを頂いています。
その中でも最近では全エンジニアにCursorを配る話が記憶に残っていました。
事業に携わるすべての人が前のめりでUpdateNormalに取り組む強さを学びました。
それを実現するためにも、ボードメンバーの方たちが率先して自分事として消化することが重要。
形式手法、勉強しよう。

生成AI活用の組織格差を解消する〜ビジネス職のCursor導入が開発効率に与えた好循環〜

speakerdeck.com

メモ

組織格差を解消するための取り組み。

Bet AI Guildとは?職種横断でAI活用を推進する組織。
AIで全員を幸せにする。愛。

これまでやってきたこと。
・AIコーディングツールの検証
・導入のための環境整備
・ベストプラクティスの共有
・コンテキスト整備

Claude-Codeの登場により劇的な変化が発生した。
頑張らなくても多くのエンジニアが利用できる状態となった。
Bet AI Guildの活躍領域も薄まってきたのがここ1か月。

ビジネス職へのCursor導入。
なぜ必要?
例:CSさん⇒プロダクト仕様をAIに聞ける。データ抽出の仕方がAIに聞けばわかる。傾向分析などなど。
エンジニアじゃない人が使うにはハードルあった。コンテキストやルール、マークダウンの置き方など。
ビジネス職向けのGitHUBレポジトリ作った。

コンテキスト収集難しい⇒Gitサブモジュールで解決。ボタン押すだけで解消できる。
Cursorルール設定の難しさ⇒共通ルールの導入。
ファイル配置の難しさ⇒ファイル配置箇所の指定。

zenn.dev


結果、Cursor利用が浸透していった。

note.com

 

エンジニアが生成AIの全社導入を推進して組織全体の生産性をあげていく。

今後イベント。

layerx.connpa

感想

先日のPHPカンファレンスで、コドモンさんのセッションで、開発チームでの生成AIに対する習熟度でメンバー間に優劣を作らないことの重要性を学びました。
今回、その考え方をエンジニアだけでなく、事業に携わるすべての人に拡張する重要性を学びました。
改めて、Platformエンジニアリング的な取り組みが必要と感じます。

それとは別に、セッションが始まり、アフロの方 + LayerXの方 + 聞いたことのある声の方 = マヂカル.fmの方…!?と驚きました。magical.fm
マヂカル.fmはパーソナリティのふたりがその時の個別のトピックスに対して共通の認知を形成していくことを聞くことで、聞く側としても新しい認知を形成することができる大好きなポッドキャスト番組です。
山手線一周の話も好きだったし、冪等性の話も好きだったし、本交換の話も好きだったし、テキストエディタの話も好きだったし…
ご挨拶できて嬉しかったです。今後も番組を楽しみにしています。

Willドリブン開発から成果ドリブン施策へ〜失敗から学んだ組織を100xするKPI設計〜  

メモ

お客様に生成AIを導入して生産性を100xにしていく。
そのために自分たちで進めていく必要がある。
Willドリブンで進めたら失敗をした。
成果ドリブンに切り替えることで本質的・継続的な推進ができはじめている。

ほぼ全員が営業活動、現状分析、仮説、開発、運用をしている。
その中で、生成AIの利用は部分的な効率化にしか利用できていない。
人間がボトルネックにならないようにする必要がある。

そうした課題感に対してWillドリブンでボトムアップ的に進めた結果、目的が無いまま場当たり的になってしまった。
そうではなく、成果の定量指標を設けて成果ドリブンで進めていった。
指針ができたことによって、施策の継続判断もできた。

感想

同じ受託組織の人間として一番身近に感じました。
私にもAIを活用できていない領域があります。
それを単純に穴埋めするのではなく、目標を立てそこから戦略的に取り組む重要性を学びました。

生成AIと組織設計論に関するパネルトーク

メモ

①人材と組織文化
Before:専門性の壁⇒After:ボーダレスタレント

・ばんくしさん
エムスリーはエンジニアの数は少ない。明確な変化はない。
技術顧問先からは人減らしの相談はあるが、そもそも採用できるラインは減っている。
後から採用するのも大変。

・広木さん
生成AIに対する危機感はある。
生成AIによって変わることでは無く、変わらなかった場合のことを恐がるべき。
景気の動向加えて、日本はダイナミズムが生まれにくい状態にある。
その中で変わっていかなきゃという雰囲気はあるが、変わらないのではという危機感がある。
社会的なスピード感が遅いことに要因がある。

・南里さん
少しずつ日本が悪くなっている気がする。
リセットが必要な気がする。
そんななかで社会を変えなきゃいけないエンジニアが変われていない気もする。

・ばんくしさん
AIを使っているか?で言うと、人間側が試されている。
ただ、フルベットが必要かというと、それに見合う創作の気持ちがあってこそだと思っている。
人間が変わるのは難しく、クリエイティブに向かう総量は変わらない気がする。
なので、今後も企業的にはクリエイティブな人を雇うという面では変わらないと思う。

・広木さん
意思、アイデア、試行錯誤ができる人が活躍するのは変わらない。
ただ、シチュエーションは変わっている。
イノベーションの総量を増やすにあたり、組織の方向転換は必要になっている。

・ばんくしさん
生成AI活況である今は、組織が小さくなる数少ないチャンスだと思っている。
ソフトウェアは人が増えても速くならないのに対し、これまでは資本主義社会の構造上の理由で人が増えていった。
ただ、今は少人数で立ち向かえる状態に向かっている気がする。

・南里さん
少ない人数の方が生存率・突破率あがる。
それに対し、プロダクト作りは既存のやり方に捉われている。アンラーニングが必要。
AIを既存のやり方に当てはめるのではなく、突破力のある若手にこそ活力がある。

②実行力と適応力
Before:AroundBigTech⇒After:FacingBigTech

・ばんくしさん
AI時代にでかい組織でスピード感を出して成功を生むことができるのか。
これからはビジネスを拡大する側にとってチャンスの時となる。
今まで若手エンジニアに必要だった成長ステップが二足飛ばしが可能となる。
ビッグテックは何をすることで競争優位性を獲得できるのか。

・広木さん
2つの軸がある。
①個人
②ビッグテック側。面倒くさいことしたくない。個別の課題解決に向き合わない。

・南里さん
結局は資源を獲得するという局面では個人はビッグテックに負ける。

・広木さん
お金の話と個人の幸せは別。
半導体はそんなに作れない。エネルギー資源もなくなる。
短期間では超少数チームでやっていくことが有利になっていく。そこから先は専門特化していく。
ある程度分散して動いて、拡大できるところに人を投じていく。
まだ人が必要。人+コンサルティングで立ち上がっていくビジネスは続いていく。

・ばんくしさん
一発当たりそうなところに投じていくエンジニアはつまらなそう。
作っては捨てを繰り返すエンジニアリングはつまらなそう。
戦略を考えるところに時間を使っていけるようにしたい。

・南里さん
分散して打つ前提条件ある。ビジネス側がいないと立ち上がらない。
ソロプレイヤーに危機感をあまり覚えない。人が集まってこそレバレッジが効く。

・ばんくしさん
戦略が重要。ソロプレイヤーが結果を出すまでは大変。
なので、組織としては人が集まって戦略を立てていく必要がある。

・南里さん
人が好き。緩いコミュニティが大事。
意思決定に絡まない知見・情報の共有が重要だと思う。

・広木さん
大谷翔平、ひかきんは1000人、1万人に一人出てくる。
そこに対して組織が立ち向かうのが組織論。我々はどうやって戦うのか。

・ばんくしさん
小さいチームでプロダクトを創りやすい。プロダクトも似通ってくる。
結果、ソフトウェアの資産が弱くなってくる。
速くつくるのか、逆輸入してつくるのかが組織的な動き方になっていく。

・広木さん
知識が差別化要因になっていく。
プロンプトの資源価値があがっていく。

・ばんくしさん
ソースコードより戦略・プロンプティングが共有された上での推進が重要になっていく。

感想

生成AIに対して、どう立ち向かっていくか。
生成AIの活況によりマンパワーが不要になるなかで、どのように組織を営むかについて刺激になりました。
特に、ソフトウェアが作りやすくなる反面、似たりよったりなものが増えるのでは、という話や、ソースコードよりプロンプトが重要になっていくのでは、という話が興味深かったです。
自分がエンジニアを始めた頃にCから始めるとメモリやポインタの概念を理解しやすい的な話があったと記憶していますが、今やそうした話も聞かず、ソースコードを書く営み自体も人の手から離れていくイメージができました。
また、いかに組織という有機体としてそれぞれの知見を持ち寄って、進むべき方向を見定めていくかが今後より重要になると学びました。
あくまで、AIが活躍する領域をその基盤として捉えて役割を移譲していけるかが、これからの組織の前提になっていく気がしています。

懇親会 / ネットワーキング

やり取りさせて頂きました皆さまありがとうございました。
生成AIに対する環境ごとの取り組みの違いを知ることができ学びの多い懇親会でした。
特にセキュリティの堅牢性が求められる領域に対する適用は、技術的な要素だけでなく、人の意識としてもハードルが高いイメージが持てました。
そうなると、これからの新規事業のほうが取り組みやすいのか?考えていくと興味深いです。
自分のコンテキストからでは得られない学びがあり、ありがたかったです。

感想

学びの深い1日となりました。
改めて、いかに人が主導権を持って、AIを活用していくかが今後も重要になると学びました。
そのうえで、半年を待たず、3か月後、2、1か月後には、もしかしたら今の開発プロセスを見直すべきタイミングがやってくるかもしれない、と思うと恐ろしく思います。
特にClaude-Codeの革新は大きく感じるし、それはこれで終わることではないと思っています。
そのうえで、そうした時代のうねりのひとつひとつに翻弄されるのではなく、我々がいかに思考し、プロダクトを実現・扱っていくかが重要と学びました。
持ち帰ってあたためたい学びの多い夜でした。