幡ヶ谷亭直吉ブログ

娘のここねと格闘するエンジニア。

『アジャイルプロダクトオペレーティングモデル』を読んで ~ プロジェクト思考からプロダクト思考に

読書メモ。2025年8冊目。
アジャイルプロダクトオペレーティングモデル』を読んでの感想となります。(2025/2/1記載)

本の概要

In today’s fast-changing markets, organizations must adapt quickly, scale effectively, and maximize product value. The Agile Product Operating Model (APOM) from Scrum.org builds on Agile principles to support continuous product evolution and frequent value delivery across organizations. 

APOM extends agility beyond team-level practices, enabling rapid, data-driven investment decisions through incremental delivery. As a flexible, non-prescriptive framework, APOM helps organizations craft unique, product-focused operating models.

This whitepaper by PST Andy Brandt, Code Sprinters with Dave West, CEO, Scrum.org highlights the need for product-centered agility and how APOM supports quick adaptation to market changes without compromising long-term value.

引用:

www.scrum.org

動機

・Xで回ってきた「プロダクト重視でチームとビジネスを再編成」という言葉が気になり。
スマホに積まれていくpdfの積読消化をそろそろしないと…
・14頁という濃縮度合い。
 

感想

「"do Agile"ではなく、"be Agile"」、「アジャイルの目的を明確にする」の2つの観点が重要だと感じました。
ウォーターフォールからスクラムに開発を切り替えたとしても、それが一時的なプロジェクトや、事業と連携していない開発部門で行われる場合、効果は薄いことを改めて学びました。
このような文脈においても、期間という制約を持つ契約から逃れられない受託開発では、受託側で開発に対する主導権を持つことは健全ではなく、発注側をイネーブリングすることを重視することが重要であると感じました。
とはいえ、プロジェクトが不要かというとそんなことはなく、プロダクト価値というより長期的な視点に立ってプロジェクトも運用すべき、と考えています。

忘れたくないメモ

  • プロダクト価値
    プロダクトは、ユーザーや顧客に価値を提供し対価としての収益を得るための主要な手段となる。今日の課題は、アジャイル手法やアジャイルフレームワークの変革が生み出したチームやプロセスによって、プロダクトからより大きな価値を引き出すことに移ってきている。
  • プロダクトオペレーティングモデルの実現
    チームが体系的に頻繁かつ迅速に小さなインクリメントを提供することで、組織が実験を行い情報を収集し市場のエビデンスに基づいた投資決定に適応させることを可能とする。そのことにより、組織の状況に適した独自のプロダクトオペレーティングモデルへと段階的に移行する。
  • プロジェクトに対する投資からプロダクトに対する投資に
    さまざまなプロジェクトやイニジアティブからの数多くの小さな要請に振り回されることで、チームはプロダクト価値という観点でインパクトのある結果を生み出しているかが不明瞭となる。マネジメント層がプロダクトに意識的に投資を集中できるようにすることで、チームが意味のある目標に集中できるようなる。
  • ビジネスアジリティ
    ビジネスアジリティには、組織構造、文化、プロダクト重視、テクノロジーが不可欠。
    • 組織構造
      チームをプロダクト中心に構造化し、プロダクトライフサイクル全体のオーナーシップを持てるようにすることで、チームは継続的に価値を提供できるようになる。結果、長期的なプロダクトゴールや投資戦略と組織構造を一致させることができる。
    • 文化
      チームがアウトカムと価値を提供することを重視するマインドセットを身につけることは、組織にとっての顧客に価値を提供することを重視するビジネス戦略とチームが継続的に整合することを可能とする。
    • プロダクト重視
      プロジェクトに基づいた作業からプロダクトに基づいたオーナーシップへ転換することは、プロダクトが顧客ニーズと市場の要求を満たすよう進化することを確実にする。マネジメント層は、プロダクトポートフォリオにおけるリソースの配分と投資を管理することによって、組織が現在どのようなゴールと優先順位を持っているかを明確に把握することを可能にする。
    • テクノロジー
      テクノロジースタックが組織に対する高速なフィードバックルーブとエビデンスに基づく意思決定を可能にする。
  • プロダクトポートフォリオ
    ポートフォリオのプランニングによって現在の業績と将来の機会のバランスを取る。組織は新しい可能性を模索し、市場の変化に備えながら、現在のプロダクトを維持し、強化できるようにするために、動的な投資アプローチをとる必要がある。
  • エビデンスペースドアプローチ
    実際のアウトカムを反映した計測指標を重視することで、組織はプロダクトと顧客に価値を提供する能力の両方を継続的に評価し、改善することができる。そのことにより、戦略的なポートフォリオの決定と戦術的なプロダクトの改善の両方が顧客のニーズと市場の現実に沿ったものになる。
  • プロダクトオーナーの役割
    プロダクトオーナーが現実的な自律性とプロダクトの長期的な成功に対するオーナーシップを持つことで、プロダクトが観客の期待と市場の需要に合致し、価値を提供できるようにする責任を持つことができる。そのことにより、プロダクトの価値に最も大きな影響を与える機能や改善を優先することができるようになる。
  • 継続的な成功の価値指標
    プロダクトの成功は、時間の経過とともに維持や改善されなければならない継続的な価値指標によって計測される。組織レベル全体で成功の計測指標の整合性があることで、すべての意思決定と行動が企業の長期的な価値の創造に確実に貢献するようになる。
  • 独自のオペレーティングモデル
    価値を中心的な原動力としてプロダクトを重視し、組織のニーズに独自に適した真にアジャイルでプロダクト中心のオペレーティングモデルを作ることで、プロダクトのイノベーションを通じた継続的な価値提供を重視することができる。