今年はじめてのEM系イベントの参加でした。学びをまとめます。
イベントの概要
今回は特別編として、来る2026/3/4(水)に開催される EMConf JP 2026 のトークの中から、 EM Oasisに参加する皆さんにぜひ聴いてほしい内容をフィーチャーする「Warm-up Party」を開催します。
本イベントでは、EMConf JP 2026のCfPの中でも非常に魅力的でありながら、 枠の都合で惜しくも今回は採択に至らなかったトークを中心に選出しています。
CfP一覧を見て「このトーク、すごく聞きたい…!」 そんな思いを抱いた方も多いのではないでしょうか。
本編とはひと味違う形で、EMConf JP 2026の“もう一つの見どころ”をお楽しみください。
引用:
イベント参加の背景
- 今年はEM、PdMについて学んで実践していくと決めている。
- 来月のemconfを楽しみにしている。
- 東葛.devのこうのさんが登壇すると聞いたら行くしかない!!
セッション
スタートアップでゼロからマネジメント文化を作ってきた話
メモ
ログラス入社5年。7人からのスタート。
・前提の考え方
なぜマネジメント文化が必要か。
マネジメントがスケールしない企業はスケールしない。
事業を支えるのは人。人が増えた時の組織の難しさを吸収するのがマネージャー。
人を支える人がいないとボトルネックになる。
・創業フェーズ~10人規模
マネジメント文化は無かった。小さなチームでとにかくやる。
一方で経営陣によるカルチャー投資の意識が強かった。
Value策定や全社での合宿を実施。お互いの人となりを理解する時間を重視していた。
経営陣の熱量をどのように組織に伝播させていくかが重要だった。
参考:
・権限委譲フェーズ~30人規模
外部研修の受講。何か一つの共通の型を作ることが重要だった。
座学だけでなく実践を通したマネジメントのHOWのすりあわせをした。
なぜ経営陣と一緒にマネジメント研修をすべきか?
経営陣になっても上司部下の関係から逃れられない。マネジメントを学ぶこと、FirstLineへの理解が重要。
・階層化フェーズ~100人規模
スケールしていくと層の間で摩擦が発生する。
マネジメントのなかでチームを作ることが重要だった。
対話の土壌を作るためにシステムコーチングを利用した。
関係の質を高めることで、結果的に短期的課題解消のスピードが向上した。
ボードメンバーがコーチングの効果を理解できていると強い。
・仕組みによるスケールフェーズ(~300人規模)
人員計画・採用計画の運用基盤の強化。練度をあげる。
戦略的サクセッション。ポジションを組織のフェーズによって役割を変えていく。
ハード:組織設計・制度設計、ソフト:対話 どっちも重要。
経営陣と初期からすりあわせていくとレバレッジが効く。
事業のスケールに合わせて変わっていく部分は大きいが、主軸となる思いを残していく。
Q&A
続けてきたこと:
・辛さのなかにも面白さ/やりがいを見つけること
・会社の仕事に直接の関係がなくても、大事に思うことは伝える
後継について:
・渡せるときが来るかを悩んでいる。意思決定のタイミングが重要。
・二か月育休をとって自分の不在を作れたのは良かった。課題も見えた。
マネージャーの価値観の醸成:
個々人で価値観を持てたきっかけ(書籍など)を共有するなど。
EMとしてのフェーズごとの重心:
企業によっても違いがあると思う。
チームが解決できることはチームに委譲する。残るのはピープル部分。
フェーズごとに変わる印象はない。
チームが強いとピープルや組織設計の比重が高まる。
学び
強いメンバーが集まれば、EMの役割はピープルマネジメントが焦点になるという話が興味深かったです。
逆に言えば、条件が整えばメンバーを信頼してピープルに振り切るマネジメントも良いのかも知れない。
また、企業がスケールしても変わらない軸や価値観を持つ重要性を学びました。
企業単位で同じ価値に向きあえる組織がつよい。
やることの取捨選択、EMをやめて見えた景色
メモ
気づいたらEMになっていることが多いと思っている。
社内にはポジションは無い。EMからテックリードに移行した。
EMをやめたのは敗北ではなく、新たな挑戦。EMはゴールではない。
何をやめたか。
今までトライアングル、4領域を見ていた。
やめたこと:プロダクトの計画、ブランドデザイン
チーム:1on1、採用、評価、評価制度
その代わりテクノロジー領域を注力した。
なぜやめたのか。
・開発の在り方を生成AIが変えていくなかで、テック領域からチームに反映させるため。
・注力したい領域に集中するため。
・自己キャリアに対して閉塞感があった。GlueWork。インポスター症候群。
ただ、やめること自体への不安もあった。
生成AIに対する取り組みについて。
・AIを使いこなすためのチーム作りが重要。
・横串として推進していく必要がある。
AIをチームメンバーとするためには、メンバーがEMになる必要がある。
EM的な全体最適の視点と、現場の触感を掴む。
辞める前の悩み。
・隙間仕事をやっていたらEMになっていた。そこに主体性はあったのか。
・チーム開発、メンバー育成に悩みがあった。
・外的キャリアよりも内的キャリアを優先したいと思った。
・将来、エンジニアが皆AIに対するEMになるのであれば、今EMじゃなくても良いと思えた。
関係構築を重視し、経緯に敬意を持って進めていった。
なにがあったらやめなかったか。
・苦手なこと(メンバーに対する積極的なタスク委譲)が解消されていたら違ったかもしれない。
・Glue Workの可視化と分散。評価制度。
結局やっていることはEM。
どんなロールでも組織やチームを見る姿勢は役に立つし、メリットも大きい。
Q&A
EM辞めたという自己基準:
ピープルを見ないようにした。環境が切り替わった。
宣言後の変化:
良かったこと→やりたいことに使える時間が増えた。
困ったこと→チームの評価経路が見えづらくなった
委譲するタイムスパン:
上長に3か月前から相談。
やってきたことのリスト化して上長に渡す部分、後継に渡す部分を決めていった。
切り替え後も並走期間はあった。
AIを使う組織についてどんなイメージを持っていたか:
危機感。AI活用を推進しないと、外部の委託業者に負ける危機感があった。
組織的に横串的な弱さがあった。そこに泥臭くチャレンジしたくなった。
学び
役割と何をするかは別物。何かの役割だから何かができる訳では無い。
何をするから何と呼ばれるぐらいの順序が良いと改めて学びました。
そのうえで、やりたいことにフォーカスするために役割を見直すこと。
それが自分たちが勝てるようにAIに賭けたという話に刺さりました。
EMの変化でチームに火を入れろ!事業フェーズに応じてEMがサーバント型から意思決定型へ変化することで起きるチームの進化とは?
メモ
EMはフィーチャーチームを支援する役割。
障害を取り除きチームが最高の仕事をできる状態にする。
価値を探し、高めるプロセスが回るようにすることがEMの役割。
AI時代。
開発者の生産性があがるのに対し、アプリの独自性も奪われるリスクも生まれた。
かつてWEB、今はアプリ、ここに対して新しいコンセプトが提示された。
経営陣からの危機の共有があり、コンセプト、機能イメージ、スケジュールがトップダウンでやってきた。
それに対して全力で応えるという決断をした。
ディスカバリーとして新しい価値を探すことは難しいことも痛感していた。
既存の組織を2つの組織に分けた。
・新しいコンセプトを作るチーム
ディスカバリー終わっているので、デリバリーをどうするのか。
新しいコンセプト、技術に対する検証を優先。
早く作って、リリースして、市場から高速に学習できるようにした。
まずはPdMでバイブコーディング。
動くPRD見ながらローンチできるようにした。
・事業推進チーム
デリバリーチームに振り切った。
事業部からの施策をPdMで扱い、そのうえでエンジニアがデリバリーにフォーカスできるようにした。
チームに今事業にとって必要なプロセスとして説明をした。
デリバリーを重視するためにEMがPdMとエンジニアの間に入るプロセスにした。
事業要求を重視した。
チームの変化。
PRD単位で生産性における成果が見えている。
領域が絞られたことでふりかえりがうまくいくようになった。
まとめ。
市場変化による経営陣のトップダウンの指示が下りてきたとき。
各メンバーが最高の仕事ができるようにすることが重要。
最高の仕事は当時「価値を探す、高める」ことだったが、デリバリーを早めることに変わった。
成果が何かは事業状況で変わる。EMとしてチームの在り方を変える決断をすることが大事。
Q&A
チームへの伝え方:
残業時間を増やしたいわけではないというのは伝えた。
今ある材料の中でどう実現できるかを考えることができるようにした。
今のプロセスをどう考えるか:
現状の進め方が持続可能なプロセスとは思わず時限式として考えている。
毎回体制を刷新してうまくいく理由:
プロセスは手段であり、成果がゴールと考えれるようにしている。
プロセスに執着しないようにできている。
ディスカバリーにやる気を持つメンバーをどう納得して貰ったのか:
メンバーとの会話で大きなハレーションは少なかった。
ディスカバリーよりも作ったものからのフィードバックに対する志向するメンバーが多く、そこを継続できた。
メンバーに信頼してもらうために意識したこと:
何のためにやっているかの軸足を大事にした。
売上などを共有することで意識づけをした。
学び
開発チームが事業に向き合えることの強みを学びました。
プロセスやタスクに向き合っていたら、もしかしたらプロセスの大きな変化にチームが追従できないかも知れない。
けど、事業に価値を見出せるからこそ、チームが有機的に変化していけるイメージを持ちました。
別にスクラム/ウォータフォールが唯一解ではない。事業成長が答えである。
そうした時に、われわれが今何を成すべきかを問えるチームや組織でありたいと思いました。
懇親会
交流させて頂いた皆さまありがとうございました。
評価の話が興味深かったです。
評価=給与となると、いろいろな制約がある。給与をあげたくても資源が必要になる。
給与以外のキャリアとしても、どう将来の可能性を用意するかを考える必要がある。
自身に対して悪い意味での受託企業の気楽さを感じました。
そして、そのうえでも彼らを企業や事業に依存せず活躍できる領域を示唆していく重要性を感じました。
東葛.devのこうのさんとお話しできたこともとても嬉しかったです。
東葛.devは多摩.devにとって、親戚の集まりのなかでの頼りになるお兄さん的な存在と思っています。
先に行く人たちに感謝しかないです。
ぱうりさんと子煩悩話ができたことも嬉しかったです。
まとめ
2026年初のEM系イベントへの参加でした。EM系イベントはいつも緊張します。
改めて、「自分は何者か」と、「自分は何がしたいのか」を考える機会となりました。
どこに焦点を当てて、エンジニアリングに携わりたいのかを考えることが必要と感じています。
改めて、背筋が伸びるイベントでした。来月のemconfも楽しみです。















